日東亜鉛株式会社 技術情報

Q&A

 Q1:亜鉛めっきの防食機構とは?
 Q2:亜鉛めっきの耐用年数は?
 Q3:亜鉛めっきの経済性は?
※さらに詳しく知りたい方は、日本溶融亜鉛鍍金協会のホームページ内のFAQをご覧ください。


Q1:亜鉛めっきの防食機構はどうなっているの?
A:亜鉛めっきの耐食性には、主に二つの大きな特徴があります。

1.保護皮膜作用 
亜鉛めっきを表面に緻密な酸化皮膜が生成し、この緻密な皮膜が強力な保護皮膜となって、その後の腐食が進行しにくくなります。 これを鉄素地と比較すると図1のようになります。

図1 亜鉛皮膜の保護作用
  亜鉛の場合 鉄の場合
素地
さびが生成
緻密なさびの薄膜が生成 粗なさびが生成
さびの生成後
緻密なさびの薄膜が保護皮膜となっている 鉄さびは、保護能力が少ないのでさびが進行する

2.犠牲防食作用 
亜鉛めっき皮膜になんらかの理由でキズが生じた場合、周囲の亜鉛が陽イオンとなって鉄の腐食を抑制し、電気化学的に保護する犠牲防食作用を有しています。これを塗装の場合と比較すると図2のようになります。

図2 亜鉛の防食作用
  亜鉛めっき 塗装
素地
キズが生成
腐食の進行と皮膜剥離
亜鉛の犠牲防食作用により鉄は腐食されない 粗い鉄さびにより塗膜が大きく破れ、さらに腐食が進行する



Q2:亜鉛めっきの耐用年数は?
A:帯域中の耐用年数については、使用環境による亜鉛の腐食速度と、亜鉛の付着量から次のように計算できます。

耐用年数=亜鉛付着量(g/m² )÷腐食速度(g/m²年)×0.9

日本における使用環境別の亜鉛の平均腐食速度と耐用年数は下表の通りであり、これをもとに使用環境別耐用表をグラフ化してみましょう。

暴露試験地域 平均腐食速度
(g/m²/年)
耐用年数(年)
都市・工場地帯 62
田園地帯 44 113
海岸地帯 196 25

環境別耐用年数



Q3:溶融亜鉛めっきと塗装との経済性を比較すると?
A:鋼構造物の長期間防食には、溶融亜鉛めっきが経済的に最も有利な表面処理方法です。

防食費用には

初期費用…初めにどの位の費用がかかるのか?
維持費用…保守にどの位の費用がかかるのか?


の2種類があり、その合計が防食費用になります。
溶融亜鉛めっきの特徴の一つは、防食寿命が非常に長く、その期間中は維持費用を原則的に必要としないことです。

初期費用が溶融亜鉛めっきより安価な表面処理はありますが、それらの表面処理は比較的短期間に防食能力がなくなるために維持費用がかかり、合計費用では溶融亜鉛めっきより高価になります。

溶融亜鉛めっきと同様に鋼構造物の長期間防食に使用されている塗装とを比較すると次のようになります。

直接投資経緯


【一般鉄鋼製品について 】
溶融亜鉛めっき加工費用は、1トン単位で決められています。他方、塗装費用は塗装種類により異なり、1・単位で決められています。
そこで、溶融亜鉛めっき加工費用は鋼材肉厚が4mm、8mmおよび15mmの3種類を選んで1・当たりに換算し、塗装からは比較的多用されている2種類を選んで溶融亜鉛めっきと塗装との経済性を比較しました。

(1)費用の比較
以前は「溶融亜鉛めっきは保守的には費用がほとんどかからないが、初期費用が高い」というのが一般的な通念でしたが、最近ではその差が平均的にはほとんどなくなっています。

製品の肉厚が比較的薄い場合には、むしろ溶融亜鉛めっきの方が安価になっております。 この主な原因は人件費が年々上昇しているためです。溶融亜鉛めっきは向上で加工されるために、加工費用の中で人件費の占める割合が塗装に比べて少なく、従って溶融亜鉛めっき加工費用の上昇が比較的緩やかであるのに対し塗装費用の上昇が大きくなっております。

(2)維持費の比較
塗装は通常数年の周期で塗り替えを必要としますが、溶融亜鉛めっきは防食寿命が続く限りの長周期、維持費用を必要としません。溶融亜鉛めっきの方が経済的に有利であることは疑う余地はありません。

(3)総費用の比較
溶融亜鉛めっき加工費用と塗装費用について、初期費用と塗り替え費用の例を表に示します。
  溶融亜鉛めっき(注1) 塗装(注2)
A鋼材 B鋼材 C鋼材 例1 例2
初期費用(円/m²) 1,226 2,448 4,594 2,573 3,664
塗り替え 費用(円/m²) 0 0 0 2,038 2,584
周期 5年 10年
回数(回) 0 0 0 5(回) 2(回)
小計(円/m²) 0 0 0 10,190 5,168
合計金額(円/m²) 1,226 2,448 4,594 12,763 8,832
防食能力残存価格(円/m²)(注3) -591 -1181 -2,804 0 0
差引実質経費(円/m²) 635 1,267 1,790 12,763 8,832

(注1)
溶融亜鉛めっきA鋼材、B鋼材、C鋼材の肉厚をそれぞれ、4mm、8mm、15mmとし、めっき層寿命を58年、58年および77年を見込んでいます。

(注2)
例1
 下地調整:C種(ディスクサンダー)
 下塗り:鉛系さび止め塗料1回
 中塗り:合成樹脂調合ペイント1回
 上塗り:合成樹脂調合ペイント1回

例2
 下地調整:C種(ディスクサンダー)
 下塗り:ー
 中塗り:エポキシ樹脂塗り3回
 上塗り:プライマー含む

塗り替えはそれぞれ同一塗装仕様とし、塗り替え面積を塗装面積の半分、下地調整をケレン3種Cに変更および足場費を含むとして費用を算出しました。

(注3)



採用情報



お問い合わせ