製作上の注意点


「めっきする製品を製作する上での注意点」
「製品が歪んでしまった」「溶接部が割れてしまった」「亜鉛が溜まってしまった」などなど、めっき後に問題を発生させないために、そして、お預かりした製品をきれいにめっきするためにも、以下の点にご留意いただき、ご不明な点はお気軽にご相談ください。

(1)溶接方法

スラグはつり溶接による(スラブ,スパッタ)は酸洗で除去できず不めっきの原因となるのでハンマ、ワイヤブラシなどで取り除くことが必要になります。
溶接には炭素ガスアーク溶接、イナートガスアーク溶接などが適しています。


(2)加工方法

a)パイプ加工

 パイプ加工品やタンクボイラーなどの中空体製品は、密閉部分によって起こる浮力の
 ためめっき操作が困難になります。また空気の残留水分により高圧になり爆発の危険
 があり、めっき素材としては不適当です。密閉箇所ができないよう、また空気や亜鉛
 の流入流出が容易になるよう、両端部またはコーナーに充分な孔が必要であります。
加工方法



b)形鋼加工品

 形鋼加工品は補強材との組合せにより局部的に袋状になる個所ができますので、処理
 工程で空気がたまりめっきでなかったり、また、亜鉛がたまったりしますので、必ず
 スカラップを設けることが必要になります。 形鋼加工品

c)はり合わせ

 全周溶接する場合は密閉状態のため溶接部に亀裂またははり合わせ面のフクレが発生
 することがあります。断続溶接の場合は、前処理液の侵入により不めっきになったり
 錆汁のしみ出しが発生することがあります。いずれにせよ、製作時にはり合わせ部の
 鋼材表面の汚れ、サビ等を除去し、密着度を上げてはり合わせておく事が重要です。

 肉厚、形状の異なる素材をはり合わせると歪が発生しやすくなりますので、溶接方法
 を十分に考慮する必要があります。とくに鉄板を張った長尺構造品は上ぞりすること
 がありますので、あらかじめキャンバーをとっておくか、または骨材とは別体でめっ
 きとしてあとで接合するなどの措置が必要となります。
はり合わせ

d)コラム(ダイヤフラム部)

 ボックス形状品でダイヤフラム、縦リブ、横リブのある場合は、特に空気溜まりによ
 る不めっきや亜鉛溜まりを無くすために適正なスカラップを設ける必要があります。
 溶融亜鉛めっき浴への浸漬及び引上げは、部材の変形やめっき外観、主にやけに大き
 く影響しますので、出来るだけダイヤフラムのスカラップ面積を大きくとり、亜鉛の
 流入流出を良くすることが必要であります。
 パイプやボックス形状の製品でベースプレートがついている場合は、両端が管の内径
 に等しくあいているのが、めっき後の外観品質上最もよいのであります。



 ①:両端とも内径に等しく開放された最も望ましい構造である。
 ②③:両端を開放できない場合、図のようなスカラップをつける。その大きさは直径
 の30%以上開放されているものとし、素材直径が76mm未満は45%以上とする。
 ④:②及び③で一方があけられない場合は本体に2ヶ所180°の位置でスカラップをつ
 ける。
 例:直径152mmのパイプのスカラップ
 A=半径44mm B=幅19mm C=直径76mm D=半径41mm

 強度上それが困難な場合及び中間にダイヤフラムがある場合は、それぞれ中央部及び
 四隅にスカラップが必要であります。



 中央部とコーナー部スカラップの大きさ(開孔率)は、表1または表2による。

表1 中央部とスカラップの大きさ(開孔率)
ボックスサイズ
(H+W)mm
中央孔とスカラップ
の大きさ    %
610以上
400〜610未満
200〜400未満
25以上
30以上
40以上


表2 コーナー部のスカラップの大きさ
ボックスサイズ
(H+W)mm
中央孔直径
Amm
コーナー部スカラップ
Bmm
1,200
 900
 800
 700
 600
 500
 400
 300
200
150
150
150
130
100
100
 75
150
130
100
 75
 75
 75
 50
 50

e)ボルト・ナット

 通常のボルト・ナットはめっきすると、めっき皮膜によりは
 め合わせができなくなりますので、めっき前にオーバータッ
 プか、めっき後タップ立てをする必要があります。
 クリアランスのとり方は、各種の規格により異なります。

表3
規 格 ナット ボルト
日本電気工業会 A種 0.6mm オーバータップ 標準寸法
B種 0.3mm オーバータップ 0.3mm縮小
鉄 塔 0.8mm オーバータップ
(メッキ前)
標準寸法
日本橋梁建設協会 0.4mm オーバータップ
(メッキ後)
標準寸法
ASTM 10.7〜
  25.4mm
0.38mm オーバータップ 標準寸法
25.4mm以上 0.51mm オーバータップ 標準寸法


f)可動部・かん合部

 シャフト、シャックル、スリーブなどの可動部かん合部のある素材はめっき後自由に
 動くためには、直径で最低2mm以上のクリアランスが必要になります。




g)歪防止

 めっきにより発生する歪は、鋼板や圧延鋼材の中に残っている引張りや圧縮反応に起
 因していることが多く、めっきで制御できない場合があります。溶接方法や、加工方
 法(補強)でかなり歪が緩和されます。




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